コスタス・テルジディス
彰国社、2010年、207ページ
ISBN=9784395009077
[論考]
「地図を描く身体」と「都市を測る身体」 ユビキタス・テクノロジーによって生まれる社会のかたちについて、ビッグ・ブラザー論に代表される「監視社会」や、等身大を超えた都市のさまざまな事象・現象がコンピュータを通じて視覚的に把握可能となる「可視社会」等の議論が続けられている★一。そのような状況を受けて、私自身は、小型化・低価...
『10+1』 No.49 (現代建築・都市問答集32) | pp.142-143
[資料]
●関連図書 宮脇昭『植物と人間──生物社会のバランス』NHKブックス、1970 貝塚爽平『東京の自然史』紀伊國屋書店、1976 ロラン・バルト『エッフェル塔』(宗左近+諸田和治訳)審美社、1979 槇文彦『見えがくれする都市』鹿島出版会、1980 坂誥秀一『日本の古代遺跡(32)東京23区』保育社、1987 貝塚爽平『...
[作品構成]
自然/コンピュテーション/コンピュータ 「Computing」あるいは「Computation」という思考法は、筆者がこの原稿をタイプしている物理的実体としての「コンピュータ(計算装置)」を超えて、自然界/生態系や社会★一、ヒト★二の現象や運動の総体を、「計算」という観点から捉え返そうとするものであるといえる。そのメタ...
『10+1』 No.48 (アルゴリズム的思考と建築) | pp.149-154
[作品構成]
アルゴリズム的思考を用いると従来の建築とどう変わるのだろうか? 僕自身これまで、「関数空間/Algorithmic Space」と題していくつかプロジェクトを発表したり、非常勤講師をしている慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスで同名の設計課題を出したりしているので、学生や同世代の建築家から上述のような質問をよく受けることがあ...
『10+1』 No.48 (アルゴリズム的思考と建築) | pp.155-160
[論考]
『10+1』No.49の拙論「アルゴリズム的思考とは何か」のなかで、「アルゴリズム的思考」とは「建築に限らず、あらゆる事象の表層的な現象にとらわれずにその背後に潜む構造的な法則性を見る目をもつという世界観であり、その根源まで遡った原理から構造を築こうとする意思のことである」と定義したうえで、建築設計プロセスを進化論的に...
『10+1』 No.49 (現代建築・都市問答集32) | pp.102-103
[論考]
携帯電話とiPod 「携帯電話」ではない「ケータイ」が大ブレイクした。iPodである。衣服のポケットサイズまで極限にコンパクト化されたiPodは、かつての「ウォークマン」以上に急激な広まりを見せている。従来の「音楽」コンテンツの流通形式・聴取形式をまるごとひっくり返しただけでなく、PodCastingという仕組みでネッ...
『10+1』 No.42 (グラウンディング──地図を描く身体) | pp.113-115
[論考]
1──マラソンから見る「地形」について 「東京国際マラソン」は、日本のマラソンコースの中でも「最も難しいコース」と言われている。それもそのはずである。マクロに見れば大きな台地のスタート地点から低地のゴール地点へ大きく駆け下りていくのだが、さらにその過程でいくつものミクロなアップダウンを複雑に通過していく。折り返し地点を...
『10+1』 No.42 (グラウンディング──地図を描く身体) | pp.73-75
[論考]
二〇〇〇年夏、アメリカ各地のデジタル系建築家、建築や空間にアプローチする情報系研究者の取材を行なった。コンピュータによって作り出される情報空間(この論では広い意味で捉えてサイバースペースと呼ぶ)を形態生成シミュレーションの場とする試みではなく、いかにして現実空間にサイバースペースを組み込み、その相互連動によって新しい機...
『10+1』 No.22 (建築2001──40のナビゲーション) | pp.78-83
[建築を拓くメディア]
筆者は〈情報と建築〉をめぐる書物を、次の四つのカテゴリに分類して本棚に収めてきた。 1. コンピュータ上の立体造形がパラメトリック・デザイン→アルゴリズミック・デザイン→ジェネレイティヴ・デザインといった方法論へ展開し、進化的構造計算手法と結びついた〈形態生成の系〉。 2. 情報時代と環境時代の融合を象徴するイコンと...
『10+1』 No.38 (建築と書物──読むこと、書くこと、つくること) | pp.128-129
[座談会]
都市を眺め直す「グラウンディング」の視点 石川初──去年の一一月に編集部からお話を頂いた当初、この特集の企画は「テクノロジーによる風景の変容」というような趣旨のものでした。それに対して僕や田中浩也さんのほうから、最近僕らが関心を持っていること、GPSやデジタル地図をツールとして使いながら都市の地面を再発見する、そういう...
『10+1』 No.42 (グラウンディング──地図を描く身体) | pp.42-53
[論考]
GPSのアーキテクチャ 本特集号のキー・デヴァイスである「GPS」。まずはその技術的知識をおさらいしてみよう。 「GPS」は、もともと一九七三年にアメリカが軍事衛星として打ち上げた衛星の名前であった。現在では、ナブスター衛星群を利用して位置を特定する(ポジショニング)システムの総体をGPS(Global Positio...
『10+1』 No.42 (グラウンディング──地図を描く身体) | pp.66-67
[鼎談]
...なく、都市の現実を支えている深層であるアーキテクチュアには関与できない」と、磯崎新さんとの議... ...、建築家がやるべき仕事だと思います。 アルゴリズミック・デザインの可能性 南後──先ほどの都市...
『10+1』 No.47 (東京をどのように記述するか?) | pp.62-75