松原弘典
TOTO出版、2007年、158ページ
ISBN=9784887062894
[中国で内装をつくる 3]
今回から大きな書店の内装設計、施工監理のプロジェクトを紹介する。新華書店の北京で三番目の直営店の内装。この書店は中国最大の国営店で、全国津々浦々にフランチャイズ展開している。従来書店はその店の経営のみを行ない、店舗の場所は国家の別機関が用意するというかたちだったが、改革開放以降、自社で建物や床を購入して直営で大型書店を...
『10+1』 No.33 (建築と情報の新しいかたち コミュニティウェア) | pp.42-44
[中国で内装をつくる 4]
施工図設計 こちらでは方案設計とよばれる日本の基本計画レヴェルのスタディが終わると、施工図設計という段階になる。施工図、とはいっても実際は日本の実施設計レヴェルになっていれば十分で、見積もりが取れる程度の仕様指示さえされていれば、細かい納まりは現場で決めることが当たり前になっている。今回の場合僕は仕様に関わる部分はなる...
『10+1』 No.34 (街路) | pp.44-46
[中国で家具をつくる 2]
自分が興奮を覚えることのひとつに、あるモノのさまざまなヴァリエーションが一堂に並んでいる状態というのがある。市場というのがまさにそれ。今回は鋼材、布、家具など、さまざまな市場を回ったが、そこでは例えば「カーテンの布」というくくりでものすごくいろんな種類の布が一堂に集められていたりする。もちろんそのヴァリエーションの豊富...
『10+1』 No.27 (建築的/アート的) | pp.35-38
[中国で家具をつくる 5]
今回は日本に一時帰国していたので実際の家具製作はなし。かわりに中国で今まで見てきた風景のなかで何か建築や家具に活かせるものがないかと思って集めてきたアイテムについて書いてみたいと思う。「家具をつくる」のアイディア編。見慣れた風景のなかからいかに設計に使えそうな読み直しができるかという問題への自分なりの見解でもある。つき...
『10+1』 No.30 (都市プロジェクト・スタディ) | pp.35-36
[中国で内装をつくる 2]
前号からの続きの小さなリノヴェーションの経過報告。この物件の竣工は北京でSARSが本格化するほんの少し前で、そういった意味では最悪のタイミングは外せたと言える。状況がもっとも緊迫した時期でもこの施工隊の人たちは仕事をしていたと後で聞いたが、建材市場も閉まったし、市内では引越しなど大きなモノの移動も制限されたりしたので工...
『10+1』 No.32 (80年代建築/可能性としてのポストモダン) | pp.35-38
[中国で内装をつくる 1]
中国に来てほぼ二年になる。本誌での連載も継続できることになったし、家具から徐々にスケールを上げた仕事を紹介していきたいと思っている。最近は北京大学での仕事のほかに、自分の名前で少しずつ設計の仕事をできるようになってきたので、家具の制作と並行して内装の仕事に取り組み始めた。建築まるごとを作るようになるにはさらに二年ほどか...
『10+1』 No.31 (コンパクトシティ・スタディ) | pp.22-26
[中国で内装をつくる 5]
三回にわたって紹介してきた書店のプロジェクトの紹介も今回で竣工、開業に至る。九〇〇〇平米弱の書店内装の設計施工が、二〇〇三年の一月末に内装コンペの要項が発表されて一一月中旬には開業したわけだが、結局設計者選定まで二か月、設計+見積もり調整で四か月、施工で三か月、開店準備で一か月というスケジュールだったことになる。もし途...
『10+1』 No.35 (建築の技法──19の建築的冒険) | pp.41-44
[中国で家具をつくる 3]
この三月に瀋陽から引っ越したので今回から北京での家具製作になる。事前に何度かこの街に通って不動産屋めぐりをした。いろんな部屋を見る機会があったのだけれど、多くの部屋はだいたい家具調度品が置かれたままで、借主は翌日からでもそこに住める状態になっている。お湯が出て冷蔵庫も洗濯機もベッドも電話もある状態。便利なのだろうけれど...
『10+1』 No.28 (現代住宅の条件) | pp.39-42
[中国で家具をつくる 4]
この原稿が活字になるころにはすでに始まっていると思うのだが、都内の建築ギャラリーの展覧会(「ギャラリー・間一〇〇回展──この先の建築」、二〇〇二年九月三日─一〇月五日)に出品する機会が与えられたので、この連載で作っている家具を出そうと考えた。ところが展示物の作品概要説明文を書く段になってはたと考えてしまった。どうもそこ...
『10+1』 No.29 (新・東京の地誌学 都市を発見するために) | pp.34-36
[中国で家具をつくる 1]
これから数回にわたる連載で、中国で進めている家具製作のプロセスを伝えていきたいと思う。今僕は中国の遼寧省瀋陽市で都市計画事務所に勤務して都市と建築の設計の実務に従事しているが、同時にまた最近こちらで、個人的に家具の製作をはじめた。とはいっても自分でデザインした家具を町工場に製作を発注して試作を重ねているような段階である...
『10+1』 No.26 (都市集住スタディ) | pp.36-38
[翻訳]
青と白のへこんだ船尾に中華人民共和国の赤い国旗をはためかせながら、珠海ジェット・フォイルは一五分おくれで九龍のチャイナフェリドラゴン・シティーズターミナルを出発する。「サンダーバード」風の外見は、フェリーをスプートニク時代の汚い遺物のように見せているが、世界で一番新しいメトロポリス──のたうつ怪物のような都市、まだ爆発...
『10+1』 No.04 (ダブルバインド・シティ──コミュニティを超えて ) | pp.150-159