暮沢剛巳, 難波祐子
青弓社、2008年1月、272ページ
ISBN=9784787272393
[論考]
Q──最近、六本木アート・トライアングルってよく聞くけど、あれって何のことなの? A──ここ数年、六本木には立て続けに大きな美術館が開館したじゃない? そのなかでも、六本木ヒルズの森美術館、乃木坂の国立新美術館、それに東京ミッドタウンのサントリー美術館の三館を結んだネットワークのことだよ。それぞれ運営母胎が違うので、今...
『10+1』 No.49 (現代建築・都市問答集32) | pp.132-133
[ブック・レヴュー]
自分の乏しい海外体験を暴露するような話だが、今にいたるまで、私はロサンゼルスを訪れたことがない。この都市について知っているすべての情報は、メディアや伝聞を通じて間接的に仕入れたものにすぎないし、『ブレードランナー』の中に実現されたサイファーパンク・シティや、「ヘルタースケルター」展に象徴されるキッチュでグロテスクなアー...
『10+1』 No.24 (フィールドワーク/歩行と視線) | pp.30-31
[論考]
Q──次回の横浜トリエンナーレ(浜トリ)の開催が近づいてきたね。 A──うん。二〇〇八年九月一三日開幕だからもう一年もない。今回は二〇〇一年、二〇〇五年に続く三度目の開催で、総合ディレクターに水沢勉を迎えて、「タイムクレヴァス」(時の裂け目)というテーマを掲げているそうだ。参加アーティストの選考にはハンス=ウルヒッリ・...
『10+1』 No.49 (現代建築・都市問答集32) | pp.128-129
[論考]
一九五七年、シチュアショニスト・インターナショナル創設の前夜、ギー・ドゥボールは二つの異色なパリの地図を制作した。彼の友人でもあったデンマーク人画家のアスガー・ヨルンの助力を得て作られた『恋愛の情熱についてのディスクール』は独特の折り畳み地図であり[図1]、一方の『ネイキッド・シティ』[図2]はヨルンの一九五八年のパン...
『10+1』 No.24 (フィールドワーク/歩行と視線) | pp.85-92
[論考]
ポストモダニズムと後期モダニズムは過ぎ去ってしまった。第二のモダニズム、デコンストラクティヴィズム、ニュー・シンプリシティといったなかで、何にもまして生き長らえているのはヴァーチュアリティにほかならない! ロバート・ヴェンチューリの小屋の装飾★一は、たとえその形態が変容を蒙っているのだとしても、情報建築として終末論的な...
『10+1』 No.23 (建築写真) | pp.160-166
[論考]
公的領域と私的領域、ポリスの領域と家族の領域、そして共通世界に係わる活動力と生命力の維持に係わる活動力──これらそれぞれ二つのものの間の決定的な区別は、古代の政治思想がすべて自明の公理としていた区別である。 ハンナ・アレント「公的領域と私的領域」 単なる建築の域にとどまらない超建築的、アート的な都市プロジェクト...
『10+1』 No.27 (建築的/アート的) | pp.132-141
[建築を拓くメディア]
本稿が活字になる頃にはすでに開幕しているはずなのだが、「愛・地球博」(以下愛知万博)が一向に盛り上がる気配を見せない。スタジオジブリが「トトロ」の民家を再現するといった散発的なニュースこそ聞かれるものの、景気のいい話はほぼ皆無、会期が近づいていると実感するのは、時折NHKでイメージキャラクターのモリゾーとキッコロを起用...
『10+1』 No.38 (建築と書物──読むこと、書くこと、つくること) | pp.144-145