建築・都市ワークショップ
4+1/2: The Internal Landscapes of Tokyo 展は、5つの四畳半をさまざまな解釈から作り、都市における住まいの原型を示すことから現代日本の都市文化を問い直そうというものである。
四畳半は居住空間としては最小の部屋だが、日本の伝統的な居住空間として成立してきたし、現代の住まいの中にも見られる一般的な部屋の単位である。また、伝統的な茶室では、この四畳半は一種のミニマル芸術とも言える空間を作り出しているが、これも同じ四畳半である。
この展覧会では、四畳半を単なる物理的な空間の経済性を探るだけでなく、美学的な、精神的な空間として捉えることとしている。3人の建築家、デザイナー、エンジニア、社会学者、ジャーナリストによって構成された5つのチームが、展覧会場に5つの四畳半を設営した。そしてその四畳半は東京の都市環境の中におかれることを前提としている。その意図を明確化するために内部空間だけをデザインし、部屋の外部は一切の照明を落とした展覧会場にさらされた。そのことで、ここトロントの観客はその部屋を訪問することで、ダイレクトに日本の都市空間の 精神、生活、空間感覚に入り込むことができるのである。観客一人ひとりが、個人的な感覚で展示空間を感じることを目指している。
東京の住まい
東京に限らず、日本の大都市に住むほとんどの若者は経済的な理由から四畳半程度の小さな部屋に住むことを余儀なくされている。たぶん西欧の感覚から見れば窮屈な部屋であっても、日本の都市独特の経済、文化、社会的なインフラストラクチャーがうまくサポートしているから信じられないほど豊かな生活を送っていることもある。コンピュータやファックスなどといった多機能のガジェットを四畳半に持ち込んだ若者がいかに四畳半を生産的に使っているか。時にカオスのように見えるガジェット的な通信機器は、大きな部屋や家具よりも四畳半をユニークなミクロコスモスとして武装するのに重要なアイテムとなる。