1960年代のアメリカで主流を占めた美術運動。美術・建築などの芸術分野において必要最小限を目指す手法によって、装飾的な要素を最小限に切り詰め、シンプルなフォルムや形態を特徴とする。ミニマリズムは1990年代になって建築にも波及し、安藤忠雄、ピーター・ズントーなどのシンプルかつシャープなデザインは大きな潮流となった。
[論考]
...発するこの転回以前には、抽象表現主義からミニマリズムへの流れを軸にさまざまな派生関係を描いて... ...実をそもそもの出発点とし、なかでも、一、ミニマリズム以後の展開、二、パブリック・アートの台頭...
『10+1』 No.27 (建築的/アート的) | pp.132-141
[批評]
...プトに「リアルヘの回帰の九〇年代におけるミニマリズム」とあるからには、まずはハル・フォスター... ...the Real』に所収されている論文「TheCrux of Minimalism(ミニマリズムの難題)」から出発することにしよう★...
『10+1』 No.16 (ディテールの思考──テクトニクス/ミニマリズム/装飾主義) | pp.112-114
[建築の還元 4]
...築家による事例や、美術におけるミニマリズム/ポストミニマリズムに多大な影響を受けた建築群の事... ...ズ)を主題としたミニマリズムのムーヴメントが美術の世界に点火する。ミニマリズムという言葉が美...
『10+1』 No.22 (建築2001──40のナビゲーション) | pp.210-220
[写真のシアトリカリティ 3]
...のは実際、存立しがたい。ここに、写真的なミニマリズムを想定することの「虚しさ」がある。写真は... ...た初期抽象絵画の場合とは異なり、写真的なミニマリズムはそのプロトタイプにおいて、自然主義とロ...
『10+1』 No.28 (現代住宅の条件) | pp.35-37
[キーワード]
...スやドナルド・ジャッドよる、美術におけるミニマリズムの動きとも複雑に共振している★28。特にジャ... ...通して★29、美術と建築との交差点においてミニマリズムを浮かび上がらせようとする議論が盛んに行な...
『10+1』 No.19 (都市/建築クロニクル 1990-2000) | pp.68-87
[論考]
...ース・ファン・デル・ローエの作品を美術のミニマリズムと関連づけて論じることはしばしば行なわれ... ...・ルビオーのミニマリズム論がある。Ignasi de Solà-Morales Rubió, “Mies van der Rohe and Minimalism.”, The presence of ...
『10+1』 No.12 (東京新論) | pp.191-200
[大島哲蔵追悼]
...うことも納得がいくことだと思います。 3456ミニマリズム──ドナルド・ジャッドについて 第二次大戦... ...々と発表していきました。その後六〇年代のミニマリズムは、文字通り世界のアート界をリードする存...
『10+1』 No.29 (新・東京の地誌学 都市を発見するために) | pp.181-191
[批評]
...起してみたい誘惑にかられるのは、ミースをミニマリズムの美学的イデオロギーに回収しようとする運... ...ばあるのだが、そもそもミニマリズムと美学とは無縁なのだし、ミニマリズムという理念の抽象性の埒...
『10+1』 No.16 (ディテールの思考──テクトニクス/ミニマリズム/装飾主義) | pp.110-112
[論考]
...なる(同様に、建築家は自らのアプローチをミニマリズムとデコンストラクティヴィズムの中間に位置... ...er, “Farbiges Glas”, loc. cit., pp.110-12. ★一三──“Minimalism and Ornament, Herzog & de Meuron in Conversation with Nikolaus K...
『10+1』 No.23 (建築写真) | pp.160-166
[フィンランド]
...態操作は一種のミニマリズムとしても捉えられるが、それはドイツ語圏のミニマリズムとは大きな隔た... ...てミニマル化するのに対し、後者マッティのミニマリズムはフィンランドの文化的背景でもある質素・...
『10+1』 No.22 (建築2001──40のナビゲーション) | pp.100-101
[翻訳]
...一九九〇年代の初めから顕著になりはじめたミニマリズムの美学を扱い、ヴィジュアル・アートや建築... ...995. ☆三──Vittorio Savi and Josep Montaner, Less is More: Minimalism in Architecture and the Other Arts, Actar, Barcelona, 1996. ☆...
『10+1』 No.19 (都市/建築クロニクル 1990-2000) | pp.181-191
[都市の表象分析 13]
...ジャコメッティの作品《キューブ》[図6]やミニマリズム彫刻を分析して、人体同形的なそのヴォリュ... ...的還元や「見えるものしか見えない」とするミニマリズムの同語反復的ヴィジョンも遠ざけている、と...
『10+1』 No.31 (コンパクトシティ・スタディ) | pp.2-11
[批評]
カオダイ教とは何か 一九九八年の夏、ヴェトナムを訪れる機会があった。主な目的はカオダイ教という新宗教の聖地を訪れることだった。一九九〇年代に入り、ドイモイ(刷新)政策の追い風を受けて、ヴェトナムの建築・都市研究は過熱し、近代建築や保存すべき古建築の調査は確実に蓄積され、ある程度知られるようになった★一。しかし、二〇世紀...
『10+1』 No.16 (ディテールの思考──テクトニクス/ミニマリズム/装飾主義) | pp.155-163
[論考]
その問いに取りかかる前に、次の問いについて考えてみて欲しい。「バブル建築」の横行した二〇年前と現在とでは、はたしてどちらがマトモな建築の時代といえるだろうか? ...ある意味で素朴なポジションへと後退する「ミニマリズム」やモダン・リヴァイヴァルといった揺り戻...
『10+1』 No.49 (現代建築・都市問答集32) | pp.150-151
[建築の言説、都市の言説 5]
いくぶん道化者で、いくぶん神のようで、いくぶん狂人で……それが透明性なのだ。 (『ニーチェについて』G・バタイユ) コーリン・ロウは多くの顔を持っている。歴史...だが)一種の侵犯に相当する。芸術におけるミニマリズムと同様、そこには「歴史の重圧」や「大衆の...
『10+1』 No.09 (風景/ランドスケープ) | pp.26-28
[論考]
建築は芸術である、あるいは建築は芸術ではない、というような議論は多分に定義の遊びに陥りがちだが、一般にはやはり「建築」と「アート」は異なった表現形式として認識さ...たく異なった様相にこそ意味がある。減算的ミニマリズムや恣意性の解体表現で非日常性をもたらすこ...
『10+1』 No.49 (現代建築・都市問答集32) | pp.130-131
[翻訳論文]
建造環境が建造されるのは建造を許可されたからである。建造環境が建造を許可されたのはそれが制度ないしは支配的文化を表象し反映しているからである。建築物の予算がパブ...た前提に異議申し立てをすることである。 ミニマリズムからクシシュトフ・ウディチコの政治的アジテ...
『10+1』 No.34 (街路) | pp.137-148
[論考]
客観主義は社会的世界を、観察者に提示されるスペクタクルとして構築する。観察者はアクションに対する「視点」を取り、それを観察できるよう退いている者たちであって、そ...リー、ポップ、コンセプチュアル、さらにはミニマリズムとさえ呼ばれた。インタヴューのなかで彼は...
『10+1』 No.24 (フィールドワーク/歩行と視線) | pp.156-175
[建築の言説、都市の言説 7]
私は常に建築に関心を抱いていた。 D・ジャッド『Art and Architecture』一九八七 建築はそこで人間が様々な活動を展開するフィールドである。人...テゴリーに押しこめるのを嫌う──従って「ミニマリズム」という括りにも反発する──ように、ジャ...
『10+1』 No.11 (新しい地理学) | pp.28-30
[論考]
世界中にデコン建築の亜流が建ち始めた。日本も例外ではない。近所の工事現場で龍が天にも昇るような完成予想パースを見た。銀座の一画で津波のようなビルに出くわし、原宿...大震災や、オウムのサティアンは、デコンもミニマリズムももはや現実に勝る訴求力を持てないことを...
『10+1』 No.49 (現代建築・都市問答集32) | pp.106-107
[ゼロ年代の建築・都市 1]
家形が増えている 最近、卒業設計やアイディア・コンペを審査する機会が多いのだが、印象深いのは家型のデザインが明らかに増えていることだ。いわゆる三角屋根をもつ建築...四)。ポストモダンの後、記号性を排除したミニマリズムが流布したけれど、時代がひとまわりして、...
『10+1』 No.48 (アルゴリズム的思考と建築) | pp.45-46
[現代建築思潮]
ヘルツォーク&ド・ムーロン『Natural History』を読む 佐々木一晋+田中陽輔 佐々木──今日は「素材のコンテクスト」と題して、ヘルツォーク&ド・ム...着、あるいはウォーホールのイコンと転写、ミニマリズムのやっていたこととの関係など、確かにヘル...
『10+1』 No.37 (先行デザイン宣言──都市のかたち/生成の手法) | pp.49-56
[図版構成+論考]
I had to open the bruise blood come out to show them. 黒人暴動を契機に作曲されたスティーヴ・ライヒ「カム・...すことは不可能に近い。その点、なんとなくミニマリズムというだけで、日本的だと外国の論者が勝手...
『10+1』 No.14 (現代建築批評の方法──身体/ジェンダー/建築) | pp.220-229
[1990年代以降の建築・都市 6]
九坪ハウスという現象 二〇〇二年一〇月一二日、TNプローブにおいて「九坪ハウスシンポジウム二〇〇二」が開催された。これはBoo-Hoo-Woo.comが仕掛けた...材の選択にこだわったという。いずれも貧乏ミニマリズムの時代とは違い、趣味の家という性格を打ち...
『10+1』 No.30 (都市プロジェクト・スタディ) | pp.184-193
[現代建築思潮]
...モダンの喧騒と混乱の後、モダニズム再読やミニマリズムが流行っているのは、一種の和様化と言って... ...&deMやギゴン・アンド・ゴヤーなどのスイス・ミニマリズムとダッチモデルを含むオランダ建築のみが、...
『10+1』 No.36 (万博の遠近法) | pp.47-54
[現代住宅論 1]
この連載では、現代の住宅が抱えているさまざまな課題について考えてみたい。できるだけ広いコンテクストで考えるつもりだが、僕自身、実際の設計に携わっている立場なので...るためである。しかし単純な形といっても、ミニマリズムのように単純さを自己目的化しているわけで...
『10+1』 No.44 (藤森照信 方法としての歩く、見る、語る。) | pp.200-209
[現代住宅研究 8-1]
果汁一〇〇%、ビーフ一〇〇%など、食品には一〇〇%という表示がよく見られる。純粋な材料から混ぜ物を作ることは容易だが、混ぜ物から純粋な材料を抽出するのは難しいか...わりに、選ばれた要素を最大化する。これがミニマリズムのオプティマイゼーションである。 1──安藤...
『10+1』 No.25 (都市の境界/建築の境界) | pp.12-15
[現代建築思潮]
フォールディング・アーキテクチャー──その実践の系譜 ソフィア・ヴィゾヴィティ 日埜直彦|訳 Sophia Vizoviti, “Folding Archit...正しく聞こえた。その後デコンもあったし、ミニマリズムなどといろいろ続くわけです。今日も会場に...
『10+1』 No.35 (建築の技法──19の建築的冒険) | pp.47-62
[批評]
一九二六年一二月四日に催されたデッサウのバウハウス新校舎の落成式には、一五〇〇人以上の来賓が出席した。彼らは、主要な政治家、経済人、官僚たちに加え、内外から招か...ない、というテーゼ。ちなみにこれは現代のミニマリズムの原点でもある。ドナルド・ジャッドは、カ...
『10+1』 No.17 (バウハウス 1919-1999) | pp.174-184
[生産─技術]
《IRONY SPACE》(二〇〇三)は、構造家、梅沢良三の住宅兼アトリエである。建築の設計はアーキテクト・ファイブが、構造の設計はもちろん梅沢氏自身が担当して...に区別しておくべきひとつの考え方がある。ミニマリズム的な本物志向がそれである。建築家はしばし...
『10+1』 No.35 (建築の技法──19の建築的冒険) | pp.112-115
[制度─都市]
オーギュスト・ペレはその著書『建築理論への寄与』のなかで、建物を美へと結びつける道標として「特質、スタイル、調和」を挙げている。それは構築的なるものの美に関する...ィオール》などの建物の立面は、まさにそのミニマリズムの流れのなかにあり、そしてこれらの建物の...
『10+1』 No.35 (建築の技法──19の建築的冒険) | pp.136-139
[素材─構造]
ヘルツォーク&ド・ムーロンは変わったのだろうか。 彼らが世界中から注目を浴びるようになった初期の頃、彼らの作品は、スイス・ミニマリズムといったグループとして認識...になった初期の頃、彼らの作品は、スイス・ミニマリズムといったグループとして認識されるような、...
『10+1』 No.35 (建築の技法──19の建築的冒険) | pp.100-103
[シンガポール]
シンガポール・アイデンティティ 「カオスすらカオスとしてプランされている」とレム・コールハースが観察したように、時として都市テーマパークのようにさえ思えるほど...への傾倒、徹底的な静謐さにこだわった禅的ミニマリズムは、トロピカルなエレメントがちりばめられ...
『10+1』 No.22 (建築2001──40のナビゲーション) | pp.122-123
[論考]
OMA(Office for Metropolitan Architecture)は、著作・建築・都市などジャンルを超えた創造活動を行なう建築家組織だ。彼らは、...けるという矛盾する結論だ。ショッピングをミニマリズムにつながるツアイトガイスト(時代精神)と...
『10+1』 No.19 (都市/建築クロニクル 1990-2000) | pp.165-172
[イタリア]
1964年シチリア生まれ。89年ローマ大学建築学部卒業後、渡米。アイゼンマン事務所に勤務し、コロンビア大学マスターコースに通う。現在はローマで自分の事務所をかま...材料は最小限に抑えるべきと考える。単なるミニマリズムではなく、形がシンプルなほどそれぞれ三つ...
『10+1』 No.22 (建築2001──40のナビゲーション) | pp.108-109
[鼎談]
建築と書物の親和性 永江朗──「建築家はどのように書物と関わるのか」というのがこの鼎談のテーマです。最初に素朴な感想をもうしますと、芸術家のなかで建築家ほど書物...ところがある。論理より雰囲気でしょうが。ミニマリズムのストイックな感じから、わあっと解放され...
『10+1』 No.38 (建築と書物──読むこと、書くこと、つくること) | pp.54-70
[批評]
バウハウス設立八〇周年記念祭行事──バウハウス・デッサウ財団 一九一九年四月のグロピウスによる「ワイマール国立バウハウス」開校八〇周年を記念し、本年ワイマール市...ヴィング博士によって「今日の建築におけるミニマリズム」、さらに『Arch+』誌編集委員のフィーリッ...
『10+1』 No.17 (バウハウス 1919-1999) | pp.66-80
[論考]
...成し始めた時代に、グレアムはそれらを一種ミニマリズムの反復的なオブジェとして再発見したと言え... ...版会。 野々村文宏『トレーシン──ポスト・ミニマリズムの作家』(オオタファインアーツ、一九九八)...
『10+1』 No.27 (建築的/アート的) | pp.73-101
[批評]
...talt)と名づけている。これは、ミニマリズムからポスト・ミニマリズムへの移行を説明する概 念ともな...
『10+1』 No.14 (現代建築批評の方法──身体/ジェンダー/建築) | pp.84-85
[論考]
1 一九世紀の建築写真 建築は、写真にとって発端からすでに主要なモティーフのひとつであった。二人のジェントルマン・サイエンティスト、ニエプスとタルボットの最初...記憶の建築」へと差し向けるが、そのときにミニマリズム的な「映像による彫刻」としての客体表出と...
『10+1』 No.23 (建築写真) | pp.83-96
[論考]
「……実のところ私は、時間というものを信じていない」──ウラジーミル・ナボコフ『記憶よ語れ』 i サバービアという言葉を耳にするたび、ホセ・アルカディオ・ブ...・ブアスティンが批判的に見たような文学的ミニマリズムの先駆となる郊外文学──ジョン・チーヴァ...
『10+1』 No.01 (ノン・カテゴリーシティ──都市的なるもの、あるいはペリフェリーの変容) | pp.137-147
[図版構成]
4+1/2展の趣旨 私はこの展覧会を通じて「現代都市に住むこと」の重要性や意味を考えたい。私はいまも東京に住んでいることもあって、もっとも慣れ親しんでいるし、一...していたのである。しかし、その居住空間のミニマリズムは、のちの「カプセル・ホテル」や「ワンル...
『10+1』 No.05 (住居の現在形) | pp.74-77
[批評]
一九五五年のディズニーランドのオープンにともなって出現した、環境に関する支配的なコンセプトは、南カリフォルニアの生態的、文化的、心理的な風景に後々まで影響を与え...ろう。アートに関するテーマは、構成主義やミニマリズム、グラフィティ・アートなどを取り入れつつ...
『10+1』 No.02 (制度/プログラム/ビルディング・タイプ) | pp.138-146
[批評]
建築批評という行為は、ともすれば歴史家や評論家と称される人々が発する言説によって行なわれるものと考えられがちであるが、現実にモノをつくる建築家によって提示される...たいいかなるものなのか。 昨今の動きには、ミニマリズムあるいはデザインレスへの傾斜が見られるが...
『10+1』 No.14 (現代建築批評の方法──身体/ジェンダー/建築) | pp.90-91