1972年生まれ。建築史。上智大学、慶應義塾大学非常勤講師。
(最終更新:2010年5月11日)
[フィールドワーク]
ドイツの建築家ブルーノ・タウトと言えば、なにしろ桂離宮に魅せられ、その美しさを日本人に解り易く示し自国の文化に自信を持たせてくれた、しかも、それを世界へ向けて紹介してくれた人物として知られる。だが、そうした「日本文化礼賛者」としての側面に光が当てられてきた一方で、タウトが同時代の「東京」をどのように見ていたか、について...
『10+1』 No.45 (都市の危機/都市の再生──アーバニズムは可能か?) | pp.179-186
[論考]
つい先日のことである。筆者の自宅近くで電線を地中埋設する工事が始まった。広い公園の脇を通る道の景観を全面的に改修しようというものだ。ほどなくして、電柱のない「美しい」通りは完成した。ところが、だ。はたと気づいたのだが、大通りの電線を埋めたぶん、今度はその枝線にあたる小径に面したわが家の前の電柱には、数知れぬ碍子やら、「...
『10+1』 No.43 (都市景観スタディ──いまなにが問題なのか?) | pp.104-111
[批評]
第一次大戦に関連して特別な交通形態が構築される際──アウトバーン、それは自己躍動する軌道上の冷静な走行──、血管のような網の目状のものが繰り広げられ、そのなかでは、継続的移動の技術──自然に反して場所を変化させること──と、再生の技術──自然に反する表象──とが、相互に言及し、説明し、あるいは表現し合っている。運動と可...
『10+1』 No.15 (交通空間としての都市──線/ストリート/フィルム・ノワール) | pp.128-139
[図版構成+論考]
黒の製法 1──黒顔料の製造機械 一五二一年チェザリアーノによるウィトルウィウス解説図 「まず、黒色顔料について述べよう。(…中略…)小さい炉がつくられ、(…中略…)炉の中に松脂が置かれる。火力がこれを燃やすことによって煤を孔からラコーニクム(熱気室)の中に押し込む。それが壁と円筒天井のまわりにくっつく。そこから集め...
『10+1』 No.14 (現代建築批評の方法──身体/ジェンダー/建築) | pp.220-229