1959年生まれ。音楽文化論。
(最終更新:2010年7月28日)
[音 1]
かつて詩人の天沢退二郎は、何かが「全体」に遭遇するさまを描出するにあたって、土のなかで目覚めた生物──モグラがイメージされていたのではなかったか──を例示した。土中で目覚めたものが目の前に見る壁、それこそが「全体」なのだ、というふうに。ここで「全体」を感じ取るのはほかでもない視覚、眼である。では、耳の場合はどうか。耳は...
『10+1』 No.14 (現代建築批評の方法──身体/ジェンダー/建築) | pp.39-40