1970年生まれ。西洋建築史、近代建築史。東京大学大学院工学系研究科助教。
http://www.geocities.jp/yoshihiroyokote/
(最終更新:2010年3月31日)
[翻訳]
今日、東京は経済発展を遂げた世界で最大の都市cittàである。ここで用いる「都市città」という用語はおそらく不適当で時代遅れの感さえあるのだが、より適当な言葉がないという理由で慣例的に使っている。日本語では「市」というひとつの漢字に、異なる二つの概念、すなわち市場と都市という意味をあてるのだが、これはおそらく偶然で...
『10+1』 No.43 (都市景観スタディ──いまなにが問題なのか?) | pp.152-161
[論考]
現代の建築保存は実に多様なあり方を示している。厳格に現状を維持しようとする保存修理から、移築、再建、復元まで、その手法は幅広い。また、保存すべき対象も、建物の種類、建てられた年代、ともに拡大の一途をたどる。 修復や保存が建築の大きな主題としてクローズアップされはじめたのはおよそ二世紀前のことである。一九世紀の建築家たち...
『10+1』 No.49 (現代建築・都市問答集32) | pp.112-113
[論考]
いわゆる看板建築 「看板建築」──あらためてこの言葉に向き合ってみると、なんだか不思議な感じがする。いや、なにもその言葉が不適当だなどと言いたいのではなくて、私が建築史を学びはじめた一九九〇年代半ばにはすでによく耳にしており、あまりにも当たり前すぎて、これまで言葉自体を噛みしめたことがなかった、ということである。看板の...
『10+1』 No.44 (藤森照信 方法としての歩く、見る、語る。) | pp.100-107
[建築を拓くメディア]
本稿は近年日本で出された西洋建築史関連書のレヴューとして依頼されたものであるが、限られた誌面のなかでのべつ幕無しに情報を提供したのでは無味乾燥な話になってしまうので、本誌の性格を加味したうえで、「西洋建築史関連書が現代的な関心にどの程度迫れるのか」という無謀な問いを出発点に、取り扱う範囲を限定してゆくことにする。むろん...
『10+1』 No.38 (建築と書物──読むこと、書くこと、つくること) | pp.122-123
[批評]
プロローグ──ある空中散歩 一八五八年の冬、ナダールは飛んだ。操縦士のゴダールと気球に乗って。雨まじりの空を八〇メートルほど上昇し、すぐに降下したのだったが。こ...『ユー・トピア』から『ノー・トピア』まで」横手義洋・岩谷洋子他訳(『未来都市の考古学』一九九...
『10+1』 No.07 (アーバン・スタディーズ──都市論の臨界点) | pp.154-167
[建築家的読書術]
これまで読んできた本のなかで深く感銘を覚えた建築書のひとつに、ピラネージの『建築に関する所感(Parere su l’Architettura)』がある。この書...された。 この翻訳書は、気鋭の若手建築史家、横手義洋氏による美しい訳文に加え、同氏の解題、そし...
『10+1』 No.38 (建築と書物──読むこと、書くこと、つくること) | pp.104-105