佐々木睦朗/妹島和世/西沢立衛/難波和彦/伊東豊雄
、1999年6月、174ページ
ISBN=B00HO34J76
[インタヴュー]
1──「構造設計への道」、「都市デザイン」、「日本の都市空間」 日埜──『日本の都市空間』は都市デザインやアーバン・プランニングが注目を浴びた六〇年代から七〇年代ぐらいまでの時期を先駆けた本で、大きくはそうした問題への関心の高まりにおいて位置づけられる本だろうと思います。しかしながら、のちの宮脇檀を中心としたデザイン・...
『10+1』 No.37 (先行デザイン宣言──都市のかたち/生成の手法) | pp.187-199
[インタビュー]
〈もの〉ではなく、その効果 槻橋修──今回のインタビューにあたり、伊東さんの作品を言説を含め改めて見直したのですが、一九八四年の《シルバーハット》[図1]の頃から「建築を消したい」という発言が頻出するようになってきます。僕たちがこの「建築を消す」という言葉で想起するのはやはり「透明性」という概念です。これは伊東さんが翻...
『10+1』 No.16 (ディテールの思考──テクトニクス/ミニマリズム/装飾主義) | pp.70-79
[現代住宅論 7]
前回の「建築的無意識」では、ヴァルター・ベンヤミンの「複製技術時代の芸術作品」からヒントを得て、建築空間が身体化・無意識化され、さらに、それが形による働きかけを通して揺り動かされるプロセスについて論じた。今回はこのアイディアをさらに先へ推し進め、「建築的無意識」を揺り動かし再編成する作業としてのデザイン行為と、それを支...
『10+1』 No.50 (Tokyo Metabolism 2010/50 Years After 1960) | pp.277-285
[現代住宅論 6]
『建築的無意識』は一九九一年に出版された僕にとって初めての本のタイトルである。この本は一九八〇年代に書いたエッセイをまとめたもので、住まいの図書館出版局から「住まい学体系」第三九号として出版された(現在は絶版になっている)。副題に「テクノロジーと身体感覚」とあるように、テーマは一九世紀以降に急速に進展したテクノロジーが...
『10+1』 No.49 (現代建築・都市問答集32) | pp.206-213
[図版構成]
TODAY'S JAPAN展コンセプト 今日私たちは7つの都市を生きている。この多層な都市において、個人の空間は都市空間であり、都市空間は個室である。 携帯用電話で友人と話しながら街を歩く。 ウォークマンで音楽を聴きながら電車に乗る。 TV座談会を見ながらFaxのコメントを送る。 自宅からパソコンのキーボードを叩いて...
『10+1』 No.05 (住居の現在形) | pp.83-87
[対談]
1 三つのプログラム 八束…議論の前提として、いくつかの問題を整理しておきたいと思います。まずプログラムと言われているもののなかに、三つのものが区別できるだろうということです。ひとつは常識的に言われているプログラム、施設としてのビルディング・タイプの根幹をなすハードコアとしてのプログラムと言ってもいいわけですが、建築や...
『10+1』 No.02 (制度/プログラム/ビルディング・タイプ) | pp.103-121
[シンポジウム]
第一部:スーパースタジオ一九六六──一九七三 一九六六──スーパースタジオの源泉 クリスティアーノ・トラルド・ディ・フランシア──本日は、スーパースタジオの活動のなかでも、特に一九六六年から七三年頃の活動について紹介していきたいと思います。まずは私たちスーパースタジオの考えの源でもある、卒業設計の話からはじめましょう...
『10+1』 No.50 (Tokyo Metabolism 2010/50 Years After 1960) | pp.228-239
[インタヴュー]
セシル・バルモンドとのコラボレーション 柄沢祐輔──伊東さんはロンドンの《サーペンタイン・ギャラリー・パヴィリオン》などのセシル・バルモンドさんとのコラボレーションを経て以来、構成に独特のルールを与える方法を展開しているようにお見受けするのですが、セシルさんとのコラボレーション以後、創作の方法にどのような変化があったの...
『10+1』 No.48 (アルゴリズム的思考と建築) | pp.82-93
[批評]
一九九七年八月三一日 スペインとイランからロンドンに渡った若い二人の建築家、アレハンドロ・ザエラ・ポロとファッシド・ムサビの「横浜国際客船ターミナル」コンペティション応募案はおよそ建築とは思われない提案であった。 敷地は山下埠頭から海に向かって数百メートルも突き出した大桟橋の上であり、山下公園や海からのヴューがこの建築...
『10+1』 No.11 (新しい地理学) | pp.184-187
[現代住宅論 5]
序 先頃、東京で開催された展覧会「ル・コルビュジエ展:建築とアート、その創造の軌跡」において、ル・コルビュジエの《パリのアトリエ》、《小さな休暇小屋(カップ・マルタン)》、マルセイユの《ユニテ・ダビタシオン》の住戸単位の三つの空間の現寸大模型が展示された。それぞれ内部に入ることが可能であり、実際の空間のスケールを把握で...
『10+1』 No.48 (アルゴリズム的思考と建築) | pp.226-233
[現代住宅論 4]
最近、若い建築家や建築研究者がクリストファー・アレグザンダーのデザイン理論に注目している。大きな潮流になっているわけではないが、彼らの紹介を通じて、アレグザンダーのデザイン理論は再び見直されるような予感がする。彼らは現時点でのアレグザンダーのデザイン理論に注目しているが、それだけでは彼の理論の可能性を十分にくみ取ること...
『10+1』 No.47 (東京をどのように記述するか?) | pp.213-222
[対談]
素材/エンジニアリング 難波和彦──今日の対談のテーマは、素材がどう建築を変えるかという問題なんだけども、実を言えば素材が建築を変える時代はもう終わっているというのが一般的な結論で、これから建築を変えていくのは素材よりもエネルギーというか室内気候のような条件なのではないかと言われている。つまり目に見える条件よりも、目に...
『10+1』 No.28 (現代住宅の条件) | pp.58-73
[論考]
西沢──僕は一九九五年に建築家の妹島和世と共同設計を始めて、九七年に独立しました。今は、おのおの別々に設計事務所を持ちつつ、同時に共同事務所を設立しています。自分の設計は自分の事務所でやり、妹島との共同設計は共同事務所でやる、というかたちです。今日は時間も短いスライド・ショウなので、自分の設計したものだけを持ってきまし...
『10+1』 No.18 (住宅建築スタディ──住むことと建てることの現在) | pp.66-77
[技術と歴史 2]
今日は構造家の立場から、主に空間構造の歴史と私が現在考えている構造の方向性について話をしたいと思います。 空間構造にみる構造合理主義の系譜というテーマをもとにして、それがどのように近代から現代に変容していったのか、というようなことをきちっと言うのはなかなか難しい。もう少し緩い感じで空間構造の歴史を通じて、どのように空間...
『10+1』 No.39 (生きられる東京 都市の経験、都市の時間) | pp.208-219
[建築家的読書術]
五年前、はじめて大学に研究室を持つことになったとき、研究室の方向性を明確に示すために「難波研必読書二〇」をリストアップすることにした。大学生にはちょっと無理かもしれないが、大学院生ならばこのくらいの本は読んでいて欲しいと考えたからである。 なぜ二〇冊なのか。特に理由はない。一〇冊に絞るのは難しいが、三〇冊では多すぎると...
『10+1』 No.38 (建築と書物──読むこと、書くこと、つくること) | pp.86-88
[スタディ]
リチャード・バックミンスター・フラー(1895-1983)は、20世紀最大のテクノロジストであり哲学者である。彼は近代建築の巨匠ル・コルビュジエ(1887-1965)やミース・ファン・デル・ローエ(1886-1969)より少し若いが、彼らとほとんど同時代を生き抜いた。アメリカで生まれ育ったフラーは、ヨーロッパ生まれのモ...
『10+1』 No.49 (現代建築・都市問答集32) | pp.155-166
[現代住宅論 2]
今回はサステイナブル・デザインの理論的根拠について考えてみたい。そのために、まず建築を総合的にとらえるマトリクスを提案することから始めよう。 ローマ時代の建築家ウィトルウィウスは、建築を三つの条件によって定義している。「強・用・美」つまり、強さ、実用性、美しさである。ウィトルウィウスによる建築の定義は、そのまま近代建築...
『10+1』 No.45 (都市の危機/都市の再生──アーバニズムは可能か?) | pp.225-233
[現代住宅論 1]
この連載では、現代の住宅が抱えているさまざまな課題について考えてみたい。できるだけ広いコンテクストで考えるつもりだが、僕自身、実際の設計に携わっている立場なので、視点の偏向を免れることはできない。しかしあえて特定の視点から出発し、徐々に視点を拡大しながら最終的には自分の視点を相対化する方向へ進むように努力するつもりであ...
『10+1』 No.44 (藤森照信 方法としての歩く、見る、語る。) | pp.200-209
[現代住宅論 3]
「アルミエコハウス」の開発・実験プロセス 伊東豊雄を座長として「住まいとアルミ研究会」が発足したのは一九九八年二月である。佐々木睦朗と筆者が参加を要請され、アルミニウム構造に造詣の深い構造家・飯嶋俊比古とアルミニウムのデザインを手がけてきた内山協一を加えた小さな委員会がスタートした。会の目的はアルミニウム合金を構造に使...
『10+1』 No.46 (特集=宇宙建築、あるいはArchitectural Limits──極地建築を考える) | pp.209-221