鈴木了二
鹿島出版会、2001年、126ページ
ISBN=9784306044227
[論考]
私の指の上には彼の指がのっていた。 私の手はざらざらとした紙の上を動き回った。 それは生まれてこのかた味わったことのない気持ちだった。 ──R・カーヴァー「大聖堂(カテドラル)」(村上春樹訳) 斜めに回転した直交座標の原点の近傍に、絡まるように大小四つの円が見える[図1]。われわれがこれまで得たうちでかなり典型的な、...
『10+1』 No.01 (ノン・カテゴリーシティ──都市的なるもの、あるいはペリフェリーの変容) | pp.18-31
[鼎談]
均質空間の崩壊 鈴木了二──「美術」と「建築」というテーマが設定されているようですが、建築には実は、どこからどこまでが建築っていうような枠組みはないんじゃないか。今度出した『建築零年』でもちょっと書いたけれど、建築は出来事であって、一種の専門的な職能分野とは違うと思ったほうがいい。なぜなら、職能化し分化した建築が建築に...
『10+1』 No.27 (建築的/アート的) | pp.54-72
[建築家的読書術]
建築のために読書しているということは特にない。だいたい目的をもって読書することが性に合わない。読書は読書、面白そうだと思ったところに手を出してきた。建築に関しても体系的に読んできたとは言い難く、むしろ建築とは直接関係のない書物のなかに建築の問題を見出し、あるいは反対に、建築に関する書物のなかに建築以外の問題を見出す、と...
『10+1』 No.38 (建築と書物──読むこと、書くこと、つくること) | pp.92-95
[対談]
マラパルテ邸 あるいはスタジオ・マラパルテの謀略? 小林── 今日のテーマは「海洋性」ということですが、この企画全体が建築と映画との接点を見出すという主旨になっていますので、映画と建築とのあいだに海をおいて、そこでいったいどんな接線が結ばれるのか、ということを二人で話してみたいと思っています。われわれはあらかじめ打ち合...
『10+1』 No.14 (現代建築批評の方法──身体/ジェンダー/建築) | pp.211-219
[1990年代以降の建築・都市 3]
...けではない。意外に思われるかもしれないが、鈴木了二は、現在の若手建築家が話題にする非作家性の... ...ハウス》 筆者撮影 7──鈴木了二《本駒込の住宅》1988 出典=『建築家の住宅論』鹿島出版会、2001 スー...
『10+1』 No.27 (建築的/アート的) | pp.142-153