倉方俊輔
王国社、2005年9月、253ページ
ISBN=9784860730291
[論考]
《都城市民会館》(一九六六)[図1]は、ぎりぎりのタイミングで残されることになった。菊竹清訓の構想力の大きさを印象づけたこの建築も、新たな市の総合文化ホールの建設を機に、解体に向けた動きが着々と進行していた。二〇〇七年二月に市長が取り壊しを正式に発表、九月に議会で解体予算が採択されて、あとは解体工事を待つばかり。そんな...
『10+1』 No.49 (現代建築・都市問答集32) | pp.114-115
[論考]
はじめに 今回の特集もその一環なのかもしれないが、近年、日本の「近代建築」、「モダニズム」に関する議論が盛んだ。例えば、個人を対象とした実証的な取り組みがある。「近代か反近代か」という思想構造の中で、ともすれば取りこぼされていた作業であり、そうした区別を再編することにもなろう。それに伴って、「近代=戦前」/「現代=戦後...
『10+1』 No.20 (言説としての日本近代建築) | pp.149-163
[批評]
建築にとって装飾とは何か? 現在の装飾論ということであれば、まず鶴岡真弓の仕事に触れなければなるまい。ケルト美術研究に始まり、さまざまな装飾・文様の再評価によって美術史に新たな地平を開きつつある鶴岡は、自らの研究の意義について、一般向けに次のように語っている。 装飾という不思議な美術は、存在と存在を分節する(ための)...
『10+1』 No.16 (ディテールの思考──テクトニクス/ミニマリズム/装飾主義) | pp.164-171