桂英史
平凡社、2001年、212ページ
ISBN=9784582851205
[東京ディズニーランドの神話学 4]
天国の住人 小島信夫は、昭和三三(一九五五)年に『アメリカン・スクール』で芥川賞を受賞し、「第三の新人」として脚光を浴びた作家のひとりである。『アメリカン・スクール』のみならず、『抱擁家族』といった代表作にあっても、物語の展開に「アメリカ」が重要な役割を果たしている★一。 彼らがこうして辿りついたアメリカン・スクール...
『10+1』 No.12 (東京新論) | pp.201-210
[東京ディズニーランドの神話学 3]
賑わいについて 夏休みやゴールデン・ウィークなどのホリデーシーズンに、休日を過ごす人々の様子が報道される際、ほとんどのニュースは「どこの行楽地も家族連れやカップルで賑わっていました」といった調子で、その賑わいを報道する。事実、どこの行楽地でも家族連れとカップルでいっぱいである。東京ディズニーランドはそんな「行楽地」の代...
『10+1』 No.11 (新しい地理学) | pp.221-230
[批評]
南方熊楠があこがれた男 一八八九年、当時二三歳だった南方熊楠はミシガン州ランシングに滞在し、読書と野外採集に専念していた。すでに四年目にはいった滞米生活であったが、大学での生活にはほとんど興味を失っていた。とにかく、野外に出て植物を観察・採集し、図書館で読書(熊楠の読書というのは、たいていの場合「写本」を意味する)する...
『10+1』 No.02 (制度/プログラム/ビルディング・タイプ) | pp.122-131
[東京ディズニーランドの神話学 2]
東京ディズニーランドの休日 夏休み、年末年始、ゴールデンウィークなど、人々は東京ディズニーランドに殺到する。今日、東京ディズニーランドは、レジャーのシンボル的な存在になっているようである。一九九〇年代を迎えるにあたって、年間の海外渡航者が一千万人を超えることになった(このうち、八〇パーセント以上が観光目的)が、微増だっ...
『10+1』 No.10 (ル・コルビュジエを発見する) | pp.235-245
[東京ディズニーランドの神話学 1]
はじめに これからわれわれは東京ディズニーランドという謎の空間を読み解く作業に着手する。二〇世紀が終わろうとしている今、文明批判や近代批判は、百花繚乱の様相を呈している。環境保護運動やジェンダー論といったフィールドなども、その範疇に入るのかもしれない。メディア・テクノロジーの飛躍的な進化に伴って、「リアリティ」や「身体...
『10+1』 No.09 (風景/ランドスケープ) | pp.207-218