大澤真幸, 姜尚中
有斐閣、2009年、405ページ
ISBN=4641123357
[批評]
一九世紀以降のすべての近代社会において、個人としての主体の同一性(アイデンテイテイ)の法的空間への書き込みは、とりわけ二つの公的な書類を媒介にしてなされている。これらの書類は、主体に、法的な身分を──つまりまさに法の裁可の対象となりうるという規定性を──与えているという意味で、法的空間への書き込みの最も基礎的な層を可能...
『10+1』 No.02 (制度/プログラム/ビルディング・タイプ) | pp.187-202