通常は、建築物の外観・内観を水平や垂直に配慮しつつ正確に撮った写真をさす。建物以外には人物や乗り物などはノイズとして画面から排されることが多い。しかし、こうした静的な建築写真に飽きたらず、例えば、場の空気感や人の気配を積極的に取り込んだ写真や、「建築写真家」以外の写真家に、自らの作品撮影を依頼する建築家が増えてきた。
[都市の表象分析 16]
ヴェネツィアにほど近いパドヴァの街の中心に、転倒した船の船底のような屋根をもつパラッツォ・デッラ・ラジォーネは建つ。「サローネ(大広間)」と呼ばれる巨大なホール...ト、ニュルンベルク、パリへと移動してゆく。建築写真や地図、要塞の平面図、風景写真に人物のスナ...
『10+1』 No.34 (街路) | pp.2-11
[論考]
|最初の女性は太陽によって懐胎した |太陽こそ だから |女性にとっては輝かしい男性であり |逆に 男性にとっては母胎なのである |「黒い太陽」★ーより 《太...雑誌『カイエダール』に紹介されたガウディの建築写真を見て衝撃を受けるとともに、自身の抽象表現...
『10+1』 No.36 (万博の遠近法) | pp.145-154
[インタヴュー構成]
...建築たりうる。そんな「共犯関係」を通じて、建築写真は生み出されてきた。 しかし、二一世紀を迎え... ...被っている。当然ながら、建築写真もその影響を受ける。果たして建築写真はどのように変わり、どこ...
『10+1』 No.23 (建築写真) | pp.77-82
[批評]
...えば現在刊行されている建築雑誌に掲載される建築写真だけを見ていると、このことに気づくことはで... ...ことができる。表現方法による内容の振幅は、建築写真のスペクトルにまで拡張して考えることができ...
『10+1』 No.14 (現代建築批評の方法──身体/ジェンダー/建築) | pp.230-241
[インタヴュー構成]
...な写真も頼まれるようになりました。 決定的に建築写真を意識するようになったのは《パレスサイドビ... ...直しました。掲載された写真は、新たな視点の建築写真として高い評価を受けました。 ──写真を撮る...
『10+1』 No.23 (建築写真) | pp.62-82
[論考]
...一九世紀フランスの建築写真からアーカイヴの爆発へ 一八五一年、五人の写真家が重大な使命を抱えて... ...魔術的な魅力に熱中し、イタリアやフランスの建築写真を収集したり、過去の記録に用いたことは興味...
『10+1』 No.23 (建築写真) | pp.117-132
[論考]
...け入ろうとする独自のショットは、いわゆる「建築写真」の欠落点を正確に突いている。 アッジェはウ... ...において確かに近似している。 世紀の変り目の建築写真には目立った動きが認められない。アールヌー...
『10+1』 No.23 (建築写真) | pp.105-116
[建築の言説、都市の言説 4]
...度から、つまり「テクスト」を拡大解釈して、建築写真家(二川幸夫氏)が刊行をしている〈GAシリーズ... ...年代の半ばになると幾人かの「芸術写真家」が建築写真に手を染めるようになり、時あたかもモダニズ...
『10+1』 No.08 (トラヴェローグ、トライブ、トランスレーション──渚にて ) | pp.28-31
[論考]
...1 一九世紀の建築写真 建築は、写真にとって発端からすでに主要なモティーフのひとつであった。二人... ...ように結論づけている。 写真の発展における建築写真の重要性は、研究者や一般大衆に十分に認められ...
『10+1』 No.23 (建築写真) | pp.83-96
[建築を拓くメディア]
...な細やかな情報の集合体として考えるほうが、建築写真の表現の可能性に近づけるだろうか。例えば、... ...がないまま細部の写真のみがあるので、私的な建築写真という評価もある。だがインタヴューで「写真...
『10+1』 No.38 (建築と書物──読むこと、書くこと、つくること) | pp.140-141
[論考]
...る。だが、ここに写されたものは何なのか。「建築写真」という名にはふさわしくない、と一見して思... ...な概念である「建築」認識が徐々に生成し、「建築写真」が成立していく展開が存在するのが、日本の...
『10+1』 No.23 (建築写真) | pp.141-144
[日本]
...散し、その代わりにこの国において顕著な、「建築写真」をはじめとする旧套的な写真の諸類型への撹... ...ホンマは、新しい「建築写真」を提言する野心をもつわけではないだろう。建築写真とは、渡辺義雄に...
『10+1』 No.22 (建築2001──40のナビゲーション) | pp.168-169
[対談]
...。そのようなことからいうとあなたの写真は「建築写真」とは言えない気がします。建築についての写... ...ムのたまたまの素材であって、いわゆる日本の建築写真と言われるものとはかなり程遠い気がします。 ...
『10+1』 No.02 (制度/プログラム/ビルディング・タイプ) | pp.17-23
[セヴェラルネス:事物連鎖と人間 7]
...大和智「日本建築の精髄 桂離宮」[『日本名建築写真選集一九 桂離宮』新潮社、一九九三]参照)... ...大和智「日本建築の精髄 桂離宮」(『日本名建築写真選集一九 桂離宮』新潮社、一九九三、一〇〇...
『10+1』 No.39 (生きられる東京 都市の経験、都市の時間) | pp.12-24
[論考]
...、建造物そのものを被写体とする、いわゆる「建築写真」を撮る時以外は、それらは「図」として浮上... ...な(決して否定的という意味だけではない)「建築写真」の系譜を辿ることができるのではないだろう...
『10+1』 No.23 (建築写真) | pp.145-148
[鼎談]
...の写真を見てつくづく思うんだけど、どうして建築写真というと、みんな大型カメラをもってくるんだ... ...なちっちゃいカメラですますわけには(笑)。建築写真ってそうやって発展したジャンルなんですね。...
『10+1』 No.38 (建築と書物──読むこと、書くこと、つくること) | pp.54-70
[素材─構造]
...─《梅林の家》外観 撮影=新建築写真部2──同、内観 撮影=新建築写真部薄い壁 妹島和世の近作《梅...
『10+1』 No.35 (建築の技法──19の建築的冒険) | pp.88-91
[論考]
...良文化財研究所)の示唆に基づく。清水重敦「建築写真と明治の教育──東京大学大学院工学系研究科... ...立五〇周年記念事業のひとつとして『明治大正建築写真聚覧』(建築学会、一九三六)がまとめられて...
『10+1』 No.20 (言説としての日本近代建築) | pp.149-163
[風景の修辞学 1]
...、すでに「あおり」を使って垂直線が歪まない建築写真になっていた。 やがてそれだけが訪れるに値す... ...いたのである。 この異常に孤独な旅人、厳格な建築写真を撮る写真家、貴重な記録者、そして全くの無...
[技術と歴史 1]
はじめに 今日は二〇世紀の「建築生産の工業化」という文脈の中で語られることの多い四つの住宅についてお話したいと思います。個人的な背景として、私自身の研究の主たる...名にしたのはこの住宅の写真です。この写真は建築写真のなかでもきわめて有名な部類に属します。こ...
『10+1』 No.38 (建築と書物──読むこと、書くこと、つくること) | pp.180-193
[現代建築思潮]
1日目:建築家の有名性──戦中・戦後の建築雑誌にみる丹下健三の表象 南後由和 南後由和──日本の建築家を取り巻く制度、建築ジャーナリズムの系譜を追いかけながら、...、雑誌が有利だということはわかります。特に建築写真を扱う媒体は各誌が最初に発表するという使命...
『10+1』 No.40 (神経系都市論 身体・都市・クライシス) | pp.27-44
[インタヴュー]
「アーキラボ」について 今村創平──マリ=アンジュさんは「アーキラボ」展に関連して多くのインタヴューを受けられ、すでに質問されることにはうんざりされていることと...築そのものを対象にしていますから、結果的に建築写真をコレクションにするわけですが、われわれの...
『10+1』 No.38 (建築と書物──読むこと、書くこと、つくること) | pp.150-158
[ポストモダニズムと建築 8]
あるときジェームズ・スターリングは次のように語っている。 建物のカタチは、住む人の使い方や生活様式を表したり、おそらく示したりするべきであると信じる。したがっ...トリウム》を見てみればよい。外観はいわゆる建築写真の様式で撮りうるのに対し、内部はほぼ街角の...
『10+1』 No.39 (生きられる東京 都市の経験、都市の時間) | pp.41-43
[現代建築思潮]
ヘルツォーク&ド・ムーロン『Natural History』を読む 佐々木一晋+田中陽輔 佐々木──今日は「素材のコンテクスト」と題して、ヘルツォーク&ド・ム...ラボレーションが始まります。ヘルツォークが建築写真を重視している理由は、建築の新たな相対化で...
『10+1』 No.37 (先行デザイン宣言──都市のかたち/生成の手法) | pp.49-56
[現代建築思潮]
議論の新しいスタイル? 10+1──「現代建築思潮研究会」はこれから三年目に入りますが、月例で研究会を行なってきたこの二年間を振り返ってどんなことを考えますか。...・アーキテクチャー」の回では、そう呼ばれる建築写真を一通り全部見ましたが、それらについて個々...
『10+1』 No.41 (実験住宅) | pp.24-28
[非都市の存在論 2]
1 写真都市 ── 起こりえない事件の現場 ユジェーヌ・アジェのパリからウィリアム・クラインのニューヨーク、荒木経惟の東京まで、あるいは無名の観光写真、絵はがき...築雑誌を埋め尽くす制度的にコード化された〈建築写真〉の範疇に実は、不具合なく収まってしまうも...
『10+1』 No.06 (サイバーアーキテクチャー) | pp.16-27
[素材─構造]
ヘルツォーク&ド・ムーロンは変わったのだろうか。 彼らが世界中から注目を浴びるようになった初期の頃、彼らの作品は、スイス・ミニマリズムといったグループとして認識...し、同じスイスの建築家ピーター・ズントーの建築写真の一カットを見ただけでもすぐに惚れ込んでし...
『10+1』 No.35 (建築の技法──19の建築的冒険) | pp.100-103
[ダイアローグ]
アフォーダンスとデザイン 塚本由晴──単刀直入にお聞きします。アフォーダンスはデザインに使えるのでしょうか。以前、青木淳さんとアフォーダンスについて意見を交換し...ども、建築も同じですね。美しいけど静止した建築写真だけだと建築のスキーマは表現できにくい。そ...
『10+1』 No.25 (都市の境界/建築の境界) | pp.62-72
[対談]
1 八束──今回の特集では、作家や作品というよりも広義の意味での言説を中心に明治以降の近代建築史を概観するという趣旨で、ここでは「建築史」という言説タイプを取り...議事堂の問題、博覧会における日本の提示、古建築写真集の登場などにより、将来の日本建築を考える...
『10+1』 No.20 (言説としての日本近代建築) | pp.62-76
[インタビュー]
〈もの〉ではなく、その効果 槻橋修──今回のインタビューにあたり、伊東さんの作品を言説を含め改めて見直したのですが、一九八四年の《シルバーハット》[図1]の頃か...ールを読解することは困難であるし、ましてや建築写真においては、クローズショットでもない限り、...
『10+1』 No.16 (ディテールの思考──テクトニクス/ミニマリズム/装飾主義) | pp.70-79
[対談]
部屋の写真術 岡崎——都築さんは『TOKYO STYLE』からこっち、部屋の写真を撮ることをつづけていらっしゃるとのことですが、期間としてはけっこう長いですよね...みたらこれが意外とうまくいった。それまで、建築写真なんて一番プロフェッショナルで難しいものじ...
『10+1』 No.29 (新・東京の地誌学 都市を発見するために) | pp.54-72
[論考]
どんな思想も文学も、目玉が死んだらおしまいだ★一。 正直に言おう。ファンである。 私は藤森照信の良き読者とはいいがたいが、愛読者であることは間違いない。『タン...ではあるが不可視の領域であるからだ。なお、建築写真術に関しては藤森の建築探偵の同伴者である増...
『10+1』 No.44 (藤森照信 方法としての歩く、見る、語る。) | pp.126-133
[フィールドワーク]
ドイツの建築家ブルーノ・タウトと言えば、なにしろ桂離宮に魅せられ、その美しさを日本人に解り易く示し自国の文化に自信を持たせてくれた、しかも、それを世界へ向けて紹...ルバム』(東京地形社、1937)43頁。 [図7]『建築写真図譜』(大同評論社、1929)。 [図10,18,19,28]『...
『10+1』 No.45 (都市の危機/都市の再生──アーバニズムは可能か?) | pp.179-186
[インタヴュー]
一九二〇年代の建築状況 日埜直彦──今回は磯崎さんの建築家としてのキャリアの最初期について伺いたいと思っています。 すでに『建物が残った』で当時のことについて多...岸田さんが建築のディテールをライカで撮った建築写真集です。それまでは建物を遠くから撮った写真...
『10+1』 No.41 (実験住宅) | pp.149-158
[インタヴュー]
世界の都市、建築をめぐる旅 日埜──数回にわたり、六〇年代の都市に関する磯崎さんの取り組みについてお聞きしてきました。この時期は磯崎さんが都市デザイナーという職...はないかと考えていました。当時、現代建築の建築写真はありましたけれど、海外の都市や建築を計画...
『10+1』 No.47 (東京をどのように記述するか?) | pp.167-175