RUN BY LIXIL Publishingheader patron logo deviderLIXIL Corporation LOGO
>

社会学のすすめ (21世紀 学問のすすめ)

浅野 智彦, 内田 隆三, 吉沢 夏子, 市野川 容孝, 長谷 正人, 若林 幹夫, 大澤 真幸
筑摩書房、1996年、198ページ
ISBN=4480014039

> 10+1 DATABASE内「社会学のすすめ (21世紀 学問のすすめ)」検索結果 (39件)

[都市の断層線/切断線 2]

資本の地層──身体・空間像の変容 | 内田隆三

A Strata of Capital: Transformation of the Body and Space Image | Uchida Ryuzo

1 都市の表象 東京という都市の現在について、その全域の境界をはっきり確定することが困難であり、またその中心がどこにあるのかもはっきりしないという問題が残っている。それは東京という都市の全域を何らかの象徴的なメタファーによって語ることが困難だということである。また、全域をその部分や断片で表象させること、つまりメトニミー...

『10+1』 No.14 (現代建築批評の方法──身体/ジェンダー/建築) | pp.2-8

[都市の断層線/切断線 3]

性愛と「私」の地層 | 内田隆三

Sexual Love and "I" | Uchida Ryuzo

1 性愛の問題 性愛という視角からすると、東京の郊外やペリフェリーに散種された無数の小さな家庭のことがまず問題になるだろう。そこでは性愛という審級が小さな家庭の「求心力」になっているようにみえるからである。だが、この求心力は自律したものではない。性愛が求心力として結晶してくる背景を考えると、産業社会における資本のエコノ...

『10+1』 No.15 (交通空間としての都市──線/ストリート/フィルム・ノワール) | pp.2-14

[都市の断層線/切断線 4]

東京の座標系 | 内田隆三

Tokyo and Its Frame of Reference | Uchida Ryuzo

1 都市の座標系 今日の都市・東京に起こっている現実の多くは農村と都市というような対比の図式では理解しがたいものだろう。たしかに都市には古い地層が幾筋も堆積しているが、現在の表層に広がる東京を考えるとき、あるいは現在の東京にアクチュアルな像を与えようとするとき、都市化という概念は有効ではない。「三全総」(一九七七年策定...

『10+1』 No.16 (ディテールの思考──テクトニクス/ミニマリズム/装飾主義) | pp.2-9

[都市の断層線/切断線 1]

東京のソシオグラフィ──都市の地層構成 | 内田隆三

A Sociography of Tokyo: Structural Strata of the City | Uchida Ryuzo

1 構造閉塞の時代 東京という都市は戦後数十年のあいだに大きな変化を見せたが、その最たるものは、そこで動いている資本のスケールではないだろうか。戦後も、東京が政治的な意味で首都であることに変わりはなかったし、また東京という地理的な範域が日本のなかで変わったわけでもない。問題はむしろ、そこに投入され、動いていく資本のスケ...

『10+1』 No.13 (メディア都市の地政学) | pp.2-11

[東京カタログ]

ホームレス | 内田隆三

Homeless People | Uchida Ryuzo

ホームレスの自立支援のために、二〇〇三年一月から二月にかけてホームレスの実態に関する全国調査が行なわれた。前年に公布・施行された「ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法」にもとづき、調査対象であるホームレスは「都市公園、河川、道路、駅舎その他の施設を故なく起居の場として日常生活を営んでいる者」というふうに規定された...

『10+1』 No.39 (生きられる東京 都市の経験、都市の時間) | pp.142-143

[東京カタログ]

佃島・月島界隈 | 内田隆三

Neighborhood of Tsukudajima and Tsukishima | Uchida Ryuzo

隅田川を南へ下っていけば、やがて永代橋をくぐり、海へ入ることになる。だが、海には埋め立ての島が続いており、隅田川はそのあいだを運河のように続いていく恰好になる。隅田川の右側の地には日本橋や銀座の繁華街があり、岸辺近くには聖路加病院の超高層タワー、築地本願寺、中央卸売市場、浜離宮恩賜庭園などが続いている。これらの対岸にあ...

『10+1』 No.39 (生きられる東京 都市の経験、都市の時間) | pp.136-137

[東京カタログ]

空襲の記憶 | 内田隆三

Memory of Aerial Attack | Uchida Ryuzo

東京大空襲があったのは一九四五年三月一〇日未明のことである。二時間半の無差別爆撃が行なわれたが、風速二〇―三〇メートルに及ぶ強風のもと、黄燐焼夷弾が降りそそぎ、当時の浅草区、深川区、城東区、江戸川区などが火災に巻き込まれた。警視庁の資料では、このときの死者は約八万人、罹災者は一〇〇万人に及んだ。永井荷風は日録(『断腸亭...

『10+1』 No.39 (生きられる東京 都市の経験、都市の時間) | pp.138-139

[東京カタログ]

千住大橋 | 内田隆三

Senju-Oohashi | Uchida Ryuzo

およそ江戸二里四方を江戸町中といい、四里四方を御府内といった。大きな街道の出口には「四宿」と呼ばれた宿場町があり、遊女の類もいる飯盛旅籠屋なども大いに繁盛していた。東海道は品川、甲州街道は内藤新宿、中山道は板橋、そして日光街道の千住である。三代将軍家光のとき、駅制が改められ、千住は日光道中の初宿と定められた。千住宿は江...

『10+1』 No.39 (生きられる東京 都市の経験、都市の時間) | pp.140-141

[都市/テクスト]

九〇年代社会学/都市論の動向をめぐって | 若林幹夫

An Introduction to Books on Sociology: Urban Studies in the 90s | Wakabayashi Mikio

しばしば語られるように、八〇年代は記号論やテクスト論、消費社会論的な都市論隆盛の時代であった。それは、八〇年代の日本の経済的好況=バブルの下での都市の消費社会化、記号の操作を媒介とする都市や都市空間それ自体の商品化とほぼ正確に対応していたと言うことができる。やはり八〇年代に流行した、明治・大正・昭和初期の「モダン都市生...

『10+1』 No.19 (都市/建築クロニクル 1990-2000) | pp.110-111

[建築を拓くメディア]

都市景観の変容をめぐる諸問題 | 若林幹夫

The Various Issues around the Change in Cityscape | Wakabayashi Mikio

森川嘉一郎は『趣都の誕生──萌える都市アキハバラ』(幻冬社、二〇〇三)で、未来の都市の景観を予想しようとする時、一九七〇年代までならば、建築家がつくる建築作品の動向を見ていればよかったと述べている。建築家たちの間の流行を組織設計事務所が取り入れ、さらにそれを建設会社の設計部が取り入れるから、都市には一昔前の建築家の作品...

『10+1』 No.38 (建築と書物──読むこと、書くこと、つくること) | pp.132-133

[論考]

景観の消滅、景観の浮上 | 若林幹夫

The Disappearance of Landscape, the Appearance of Landscape | Wakabayashi Mikio

1  景観の現在 「景観」という言葉が、そしてその言葉によって名指される何かが、今日、私たちの日常生活のなかに、共通の問題の場(トポス)のようなものとして浸透しつつある。 もちろん、景観という言葉はずっと以前から日本語の語彙のなかに存在したし、「美しい景観」とか「美観地区」といった言葉も存在していた。だが近年の景観法や...

『10+1』 No.43 (都市景観スタディ──いまなにが問題なのか?) | pp.126-135

[都市の全域性をめぐって(下)]

共異体=共移体としての都市 | 若林幹夫

On the Totalization of the City (Part 2): A Polymorphic = Polydynamic City | Wakabayashi Mikio

1 都市の〈起源〉 ピレンヌがそれを「解放」と呼んだように、ヨーロッパ中世の都市は、当時のヨーロッパを覆っていた封建的な社会関係から解放された「自由」の空間として存在していた。土地を媒介とする保護と臣従を関係の原理とする封建社会において、土地への帰属はそのまま封建的な支配関係への帰属を意味する。そこでは土地とは、臣従と...

『10+1』 No.11 (新しい地理学) | pp.231-242

[論考]

時間の都市 空間の都市──時空の「現在」のエコノミー | 若林幹夫

City of Time, City of Space: Time and Space in the Economy of the "Present" | Wakabayashi Mikio

1 時間としての空間 人文地理学に「時間地理学(time geography)」と呼ばれる一分野がある★一。自然地理学と人文地理学を問わず一般に地理学は、土地空間上の事物や出来事の配置や関係を地図平面上の分布や配置として記述し、そこに現われる構造や関係の原理や法則を考察するのだが、時間地理学が採用する記述法は、「時間」...

『10+1』 No.12 (東京新論) | pp.211-222

[論考]

現代都市の境界線──包装(ラップ)される都市と身体 | 若林幹夫

The Border of the Present City: The Wrapped City and the Body | Wakabayashi Mikio

1 境界と領域 よく知られているように、クロード・レヴィ=ストロースは『悲しき熱帯』や『構造人類学』のなかで、南米のボロロ族をはじめとするいくつかの部族社会の村落空間の構造と社会の構造の関係を分析している★一。それらの分析を通じて示される村落空間の構造と社会の構造の関係は、次の言葉にほぼ集約されている。 ところで、社...

『10+1』 No.25 (都市の境界/建築の境界) | pp.142-150

[論考]

視線と意匠──郊外ニュ─タウン試論 | 若林幹夫

Design and Eye | Wakabayashi Mikio

I 現実としての模像 集合住宅の一大展示場である多摩ニュータウンのなかで、もっとも人目をひく場所の一つは、京王堀之内駅前の斜面に並んだ一群の住宅団地である。「ライブ長池」という名の全体計画に基づいて一九九○年に「街開き」が行なわれたというこの地域に立ち並ぶ、エミネンス長池、コリナス長池、コープタウン長池、ヴェルデ秋葉...

『10+1』 No.01 (ノン・カテゴリーシティ──都市的なるもの、あるいはペリフェリーの変容) | pp.116-123

[論考]

住居──社会的媒体としての | 若林幹夫

Living Space as Social Medium | Wakabayashi Mikio

I「住むこと」のメディア 人間にとって住居とは何か。そして、現在の私たちにとって、住居とは何なのか。 人間の住居の起源あるいは本質は、雨風をしのぎ、外敵から身を守るための隠れ家=シェルターにしばしば求められる。だが、石毛直道も指摘しているように、シェルターとしての機能は人間の住居の必要条件ではあっても、それを動物の巣等...

『10+1』 No.05 (住居の現在形) | pp.56-66

[批評]

地図、統計、写真──大都市の相貌 | 若林幹夫

Map, Statistic, Photograph | Wakabayashi Mikio

1『東京─大都会の顔─』 一九五二年に岩波写真文庫の一冊として刊行された『東京─大都会の顔─』の冒頭には、「この本の読みかた」として次の文章が掲げられている。 東京に関して、その歴史的懐古、首都的性格、或いは戦災の報告は、また別の課題になるであろう。ここでは大都会のもつ一般的な容貌を、東京に代表させて説明する。読者は...

『10+1』 No.09 (風景/ランドスケープ) | pp.196-206

[都市の全域性をめぐって(上)]

空間と「場を占めぬもの」 | 若林幹夫

On the Totalization of the City (Part 1): Space and the Placeless Object | Wakabayashi Mikio

1 空間論的転回 都市をめぐる社会科学的な議論のなかで、今日しばしば、社会理論や都市の社会学における「空間論的転回」と呼ばれる事態が語られてい る★一。アンリ・ルフェーヴルの都市論、マニュエル・カステルの新都市社会学、デヴィッド・ハーヴェイの社会地理学、アンソニー・ギデンスの構造化理論などに典型的に見出されるとされるこ...

『10+1』 No.10 (ル・コルビュジエを発見する) | pp.246-254

[東京カタログ]

墓地再生 | 内田隆三

Regeneration of Cemetery | Uchida Ryuzo

青山霊園は港区の南青山にあり、徳川の譜代、郡上藩・青山家の屋敷地だったところにある。旧幕時代、死者の埋葬は寺院が管理していたが、一八七四年、この地に寺院・神社などの管理に属さない公共の墓地が開設され、青山墓地と呼ばれた。そこには二重の意味がある。ひとつは、明治新政府が「神仏分離」を押し進め、死者が仏教の専管から離れてい...

『10+1』 No.39 (生きられる東京 都市の経験、都市の時間) | pp.134-135

[東京カタログ]

秋葉原・電気街 | 内田隆三

Akihabara, Electronics Quarter | Uchida Ryuzo

山手線と総武線の交わるところに秋葉原がある。超高層のハイグレード・マンションが立ち、巨大なITセンターができるが、その下に電気街が広がっている。電気街が漫画同人誌やアニメ、コスプレ、フィギュアなどを求めるオタクの街と呼ばれるようになったのは、一九九〇年代半ば以降のことである。一九五五―七三年の高度経済成長の時代には、秋...

『10+1』 No.39 (生きられる東京 都市の経験、都市の時間) | pp.132-133

[東京カタログ]

皇居 | 内田隆三

Imperial Palace | Uchida Ryuzo

東京はもと徳川氏の城下町であった。それは他の城下町と同じように、軍事上の防衛という観点から、敵の部隊の直進を防ぐために「曲輪(くるわ)」という渦巻状の構造をもっていた。「御城」はこの渦巻きの中心に存在する。それは町の「深い」中心にある。渦巻きを直線になおすと、それは到達するのにもっとも時間のかかる、遠隔の場所となるから...

『10+1』 No.39 (生きられる東京 都市の経験、都市の時間) | pp.106-107

[東京カタログ]

丸の内 | 内田隆三

Marunouchi | Uchida Ryuzo

丸の内という街区は東京駅の皇居側に位置するビジネス街である。その土地の由来は明治のはじめに遡る。明治政府は幕府の中枢を担う譜代大名の屋敷が並ぶ土地を召し上げ、兵舎や錬兵場などに用いたりしていたが、一八九○年に、土佐出身の商人・岩崎彌太郎の実弟、彌之助が社長を務める三菱社に、神田三崎町から大手町、丸の内、有楽町にいたる土...

『10+1』 No.39 (生きられる東京 都市の経験、都市の時間) | pp.108-109

[東京カタログ]

城南五山 | 内田隆三

Jonan-Gozan | Uchida Ryuzo

東京に坂が多いことはよく知られている。谷が多く、東京の土地はやたらと起伏がある。歩いていると、すぐに「~坂」という地名に出会うことになる。江戸川乱歩の『D坂の殺人事件』は千駄木の団子坂を思い出させる。樋口一葉なら本郷の菊坂を思い出すだろうか。マンション販売の会社が宣伝のために囃した夏目坂というのもある。新宿区喜久井町あ...

『10+1』 No.39 (生きられる東京 都市の経験、都市の時間) | pp.110-111

[対談]

生きられる東京 東京の「現在」における生の様態 | 内田隆三遠藤知巳

Living Tokyo: The Current Way of Life in Tokyo | Uchida Ryuzo, Tomomi Endo

「生きられる東京」という問題設定 内田──今回の特集を機に「生きられる東京」ということを考えてみました。都市の社会学的研究や文化の研究が持っている枠組みがあります。また、その枠組みの根底には明示的に意識化されなくてもそれなりの社会概念があります。その社会概念というのは、都市社会学や都市の文化的研究がはっきり言わないとし...

『10+1』 No.39 (生きられる東京 都市の経験、都市の時間) | pp.66-81

[論考]

万博・待訪録 | 内田隆三

EXPOs Marched Past ? | Uchida Ryuzo

1 万博──政治経済学の系譜 一八五一年のロンドン以来、万博──万国博(exposition universelle)、国際博(international exhibition)、世界博(world fair)等々──は「進歩の時代」を象徴するイヴェントとして幾度となく開催され続けてきた。この進歩の時代を眺めると、万博...

『10+1』 No.36 (万博の遠近法) | pp.178-186

[対談]

《プログラム》──あるいは空間の言説と思考をめぐって | 内田隆三多木浩二八束はじめ

"Programs"—The Thought and Language of Space | Uchida Ryuzo, Taki Kouji, Yatsuka Hajime

1 空間と制度 多木…ビルディング・タイプという概念は、社会学的というよりむしろ建築論的な概念です。しかしどんな時代でも、特定の社会的機能を持った建築の類型を作ってきたことから考えると、ビルディング・タイプは社会学や歴史学の言説のなかにも入り込んでいる筈のものであろうと思われます。簡単な例ですが、例えばわれわれは博物館...

『10+1』 No.02 (制度/プログラム/ビルディング・タイプ) | pp.26-49

[論考]

場所と風物──ニュータウンのトポロジー | 内田隆三

Place and Landscape | Uchida Ryuzo

二つの力 都市は異質な二つの力が交差するところに成立している。 一つは、無限に広がり、密度を変えていく流動的な「外部性」をひらく力である。そこには、貨幣のたわむれ──(貨幣が媒介する)他者への欲望のたわむれ── が見出される。もう一つは、この流動的な外部性を、固定し、空間化し、内部化し、同一性を与え、そこに「共同体」の...

『10+1』 No.01 (ノン・カテゴリーシティ──都市的なるもの、あるいはペリフェリーの変容) | pp.186-194

[対談]

東京あるいは都市の地層を測量する──ポスト「東京スピード」の都市をめぐって | 内田隆三若林幹夫

Surveying Tokyo/Urban Strata:A Look at the Post "Tokyo Speed" City | Uchida Ryuzo, Wakabayashi Mikio

湾岸の風景 若林──今日のテーマは、いま都市あるいは東京を語るとはどういうことか、さらにはまた東京をどのように語ることが可能なのか──言い方を換えれば、「東京論」論あるいは、メタ東京論について考えるということになるかと思います。まず、これに先行して、先日内田さんと東京湾岸を歩き、またフェリーで日の出桟橋から横浜まで行っ...

『10+1』 No.12 (東京新論) | pp.62-79

[東京カタログ]

野川・国分寺崖線 | 内田隆三

Nogawa, Kokubunji Criff Line | Uchida Ryuzo

皇居を中心にして「同心円」状にいくつもの道路が走っている。山手線のすぐ外側には「山手通り」という環状道路が走っている。その外側には「環状七号線」が走っており、通称「環七」と呼ばれている。環七の周辺は、東京に大地震が起こったとき、火災などの災害にもっとも弱い地域のひとつである。火災だけでなく、竜巻のような火災旋風が発生し...

『10+1』 No.39 (生きられる東京 都市の経験、都市の時間) | pp.112-113

[東京カタログ]

環状一六号線・町田 | 内田隆三

Belt Line 16, Machida | Uchida Ryuzo

ここには六〇年代末の新宿のように、猥雑な賑わいのある町が生まれている。米軍の基地が近く、また沖縄や韓国の文化も混じりあうところである。米軍とアジアと日本の交叉する町田は、かつて東京がめざした欧風の国際化とは別の種類の国際性を帯びている。それは猥雑性を充たすような国際性である。町田の急速な変貌ぶりを見ていると、都心の盛り...

『10+1』 No.39 (生きられる東京 都市の経験、都市の時間) | pp.114-115

[東京カタログ]

銀座通り | 内田隆三

Ginza Street | Uchida Ryuzo

銀座はかつて西欧文化の流入口であり、近代化や都市文化の象徴のような場所であった。だが、銀座をはじめて訪れた人は、よくあるデパートや名店が並んでいるが、ただそれだけのことで、何か飛びぬけた華やかさがないのにがっかりしたことだろう。しかし、東京の他の繁華街に比べると、行き来する人に熟年や壮年層が多く、若者が少ないという特徴...

『10+1』 No.39 (生きられる東京 都市の経験、都市の時間) | pp.126-127

[東京カタログ]

芸能人 | 内田隆三

Talent | Uchida Ryuzo

東京にいると「芸能人」(タレント)に会えるでしょうといわれるが、そんなことはない。東京は広いし、住んでいる世界も違う。学園祭や、催し物、あるいは映画やテレビのロケで芸能人を見かけるのは、たしかに東京の特権かもしれない。だが、芸能人のこうした人前へのプレザンスは「仕事」の上でのことである。彼らがその日常の姿を現わすのに遭...

『10+1』 No.39 (生きられる東京 都市の経験、都市の時間) | pp.128-129

[東京カタログ]

六本木ヒルズ | 内田隆三

RoppongiHills | Uchida Ryuzo

六本木ヒルズでは、一一・六ヘクタールの土地に、約七六ヘクタールの延床面積をもつビル群が建っており、中心にある森タワーは地上五四階、地下六階の巨大な円筒状の建物である。そこにはいま世間の注目を浴びる勝ち組のIT企業が集まり、レジデンス棟は若いIT長者や有名人が住んでいることで話題になった。だが、それは六本木ヒルズの一面に...

『10+1』 No.39 (生きられる東京 都市の経験、都市の時間) | pp.130-131

[東京カタログ]

外資系ホテル | 内田隆三

Foreign-Financed Hotels | Uchida Ryuzo

東京にも外資系ホテルが多く立ち並ぶようになり、ラグジュアリーといわれるクラスでは、日本のホテルはむしろ苦戦している。外資系ホテルのマネージャーと話をしていると、ホテルで嫌われる人があるという。たとえば同窓会やゼミの集まりである。学生たちが内輪で必要以上にはしゃぎ、傍若無人だからである。あるいは、他の客を怖がらせるような...

『10+1』 No.39 (生きられる東京 都市の経験、都市の時間) | pp.124-125

[東京カタログ]

東京競馬場 | 内田隆三

Tokyo Race Course | Uchida Ryuzo

武蔵府中は家康が江戸に来る頃までは、武蔵国の中心であったという。昔から馬に縁があり、大国魂神社の例大祭でも、競馬(こまくらべ)式が行なわれる。例大祭の案内によれば、府中周辺には牧(まき)が多くあり、そこでは多くの馬が育てられていた。国司が馬を朝廷に献上するにあたり、優良な馬を府中に集め、その選定のために競馬がはじまった...

『10+1』 No.39 (生きられる東京 都市の経験、都市の時間) | pp.122-123

[東京カタログ]

多摩ニュータウン | 内田隆三

Tama New Town | Uchida Ryuzo

郊外生活の多くは自動車への依存によって成り立っている。郊外ニュータウンは都市の平面的な膨張の断面をなしている。人々は、比較的安価であることと同時に、健康や快適性を求めて郊外の拡張に同調したのだろう。しかしいつのまにか、持続可能性(sustainability)ということが言われはじめた。資源配分の効率の問題、ゴミやエネ...

『10+1』 No.39 (生きられる東京 都市の経験、都市の時間) | pp.116-117

[東京カタログ]

駅ビル | 内田隆三

Station Building | Uchida Ryuzo

新宿、横浜、町田をはじめ、ルミネは首都圏で一一店舗を構え、駅ビルにしつらえられたファッション中心の空間として「Y世代」(一六―二五歳)にも好評だという。好調を支えているのは「徹底した顧客主義」であるとされる。本社と店頭の全スタッフが手を携えて、「お客さまのために」、デパートにも負けない「顧客満足」(CS=Custome...

『10+1』 No.39 (生きられる東京 都市の経験、都市の時間) | pp.118-119

[東京カタログ]

くらやみ祭 | 内田隆三

Kurayami-Matsuri | Uchida Ryuzo

東京都の多くはもと武蔵国であった。武蔵国の国府は都下府中市にあり、大國魂神社が武野国の総社である。大國魂神社はいま、眼前を東西に走る旧甲州街道に面して鎮座している。大鳥居を出ると欅並木の参道が続き、国分寺街道となって北に向かい一直線に伸びている。この街道は三キロメートルほどでJRの中央線に至るが、その西側あたりに国分寺...

『10+1』 No.39 (生きられる東京 都市の経験、都市の時間) | pp.120-121

[対談]

危機的都市をめぐって | 内田隆三多木浩二

On Cities in Crisis | Uchida Ryuzo, Taki Kouji

多木…神戸の地震についてはすでに多くの言説が飛び交いました。しかし今日はもう少し違った方向で考察できないだろうか。これまでの言説では語られていないものがありはしないか、そんなところから非常に語りにくいことであるということは重々承知の上なんですが、実際に被災された内田さんと神戸の地震について何事か語ってみたいと思ってきま...

『10+1』 No.04 (ダブルバインド・シティ──コミュニティを超えて ) | pp.204-227